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警察の保有する電子計算機処理に係る個人情報の取扱いに関する規則


(平成二年六月八日国家公安委員会規則第二号)


 警察法施行令(昭和二十九年政令第百五十一号)第十三条第一項の規定に基づき、 警察の保有する電子計算機処理に係る個人情報の取扱いに関する規則 を次のように定める。

(目的)
第一条  この規則は、警察行政の能率的かつ円滑な運営に配意しつつ、国民の権利利益の保護に資するため、警察の保有する電子計算機処理に係る個人情報の取扱いに関する基本的事項を定めることにより、その適正を図ることを目的とする。

(他の法令との関係)
第二条  警察の保有する電子計算機処理に係る個人情報の取扱いについては、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律(昭和六十三年法律第九十五号)、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律施行令(平成元年政令第二百六十号)その他の法令に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。

(定義)
第三条  この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 個人情報 個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述又は個人別に付された番号、記号その他の符号により当該個人を識別することができるもの(当該情報のみでは識別することができないが、他の情報と容易に照合することができ、それにより当該個人を識別することができるものを含む。)をいう。
 電子計算機処理 電子計算機を使用して行われる情報の入力、蓄積、編集、加工、修正、更新、検索、消去、出力又はこれらに類する処理をいう。
 個人情報ファイル 一定の事務の目的を達成するために体系的に構成された個人情報の集合物であって、電子計算機処理を行うため磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物(以下「磁気テープ等」という。)に記録されたものをいう。
 処理情報 個人情報ファイルに記録されている個人情報をいう。
 安全確保の措置 個人情報の漏えい、滅失及びき損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置をいう。

(保有の基本)
第四条  警察庁及び都道府県警察は、個人情報ファイルを保有するに当たっては、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)その他の法令に定めるそれぞれの事務を遂行するために必要な場合に限り、かつ、可能な限りその目的を特定して行わなければならない。

(記録事項の限定)
第五条  所轄庁の長(警察庁にあっては警察庁長官、都警察にあっては警視総監、道府県警察にあっては当該道府県警察本部長をいう。以下同じ。)は、それぞれの個人情報ファイルごとに、記録すべき項目及び個人の範囲を定める等により、その保有する個人情報ファイルに記録される事項がそれぞれの個人情報ファイルに係るファイル保有目的を達成するために必要な限度を超えることのないようにしなければならない。

(安全の確保)
第六条  所轄庁の長は、個人情報の安全確保の措置として、次に掲げる措置を講じなければならない。
 電子計算機処理に係る個人情報の適切な管理に関する職員の意識の啓発及び教養
 電子計算機処理等(電子計算機処理又はせん孔業務その他の情報の入力のための準備作業若しくは磁気テープ等の保管をいう。以下同じ。)の事務を行う所属(警察庁にあっては内部部局、附属機関及び地方機関の課(これに準ずるものを含む。以下この号において同じ。)、都道府県警察にあっては警視庁及び道府県警察本部の課並びに警察署をいう。)において安全確保の措置に係る事務を統括管理する者の指定
 電子計算機及び端末装置を設置する場所の入出場の管理その他これらの施設への不正なアクセスを予防するための措置
 電子計算機処理(電子計算機処理の依頼を含む。)の過程に関する必要な事項を記録するための措置
 電子計算機処理に係る個人情報の記録された物の紛失、盗難及びき損を防止するための措置
 前各号に掲げるもののほか、所轄庁の長が電子計算機処理に係る個人情報の適切な管理のため必要と認める措置

(正確性の確保)
第七条  所轄庁の長は、処理情報の正確性を確保するため、情報入力時における確認、随時の点検、補正等の措置を確実に実施することにより、ファイル保有目的に必要な範囲内で、処理情報が事実と合致するようにしなければならない。

(処理情報の利用及び提供の制限)
第八条  処理情報は、法律の規定に基づき利用し、又は提供しなければならない場合を除き、警察の任務の遂行に必要な限度で利用し、又は提供する場合以外の場合に利用し、又は提供してはならない。ただし、所轄庁の長において、処理情報を利用し、又は提供することについて特別の理由があると認める場合であって、当該処理情報を利用し、又は提供することにより、当該処理情報に係る本人又は第三者の権利を不当に侵害することがなく、かつ、警察の任務の遂行に支障を生ずることがないと認めるときは、この限りでない。
 所轄庁の長は、処理情報を提供する場合において必要があると認めるときは、当該処理情報の提供を受ける者に対し、当該処理情報について、使用の目的若しくは方法その他使用の態様に関し必要な制限を付し、又は必要な安全確保の措置を講ずることを求めるものとする。

(警察職員の義務)
第九条  警察職員は、その職務の遂行に当たっては、電子計算機処理に係る個人情報の適切な取扱いに留意しなければならない。
 警察職員は、電子計算機処理等の業務を行うに当たって知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、若しくは不当な目的に使用し、又は不当な目的で処理情報を出力してはならない。
 警察職員は、職務に関し出力を依頼して得た電子計算機処理に係る個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、若しくは不当な目的に使用し、又は不当な目的で処理情報を出力させてはならない。

(警察庁長官への報告)
第十条  警視総監及び道府県警察本部長は、当該都道府県警察における処理情報の取扱いの状況その他電子計算機処理に係る個人情報の管理に関し警察庁長官が定める事項について、定期的に、又は随時に警察庁長官に報告するものとする。

(都道府県警察における特別の取扱い)
第十一条  都道府県警察は、都道府県公安委員会規則で定めるところにより、電子計算機処理に係る個人情報について、当該都道府県の実情に即した特別の取扱いをすることができる。この場合において、当該特別の取扱いの内容については、あらかじめ、警察庁長官の承認を受けるものとする。

(実施の手続等)
第十二条  この規則の実施に関し必要な手続その他の事項は、警察庁長官が定める。

   附 則

 この規則は、平成二年七月一日から施行する。



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