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人事院規則一四―二一
(株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等)
(平成十二年十二月二十八日
人事院規則一四―二一)
最終改正:平成一五年一月一四日人事院規則一―三七
人事院は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に基づき、株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員の報告等に関し次の人事院規則を制定する。
(趣旨)
第一条
この規則は、株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある職員について、法第百三条第四項の規定による報告の徴収、同条第五項の規定による通知、同条第六項及び第七項の規定による異議申立て並びに同条第八項の規定による措置等に関し必要な事項を定めるものとする。
(報告等)
第二条
職員(非常勤職員(法第八十一条の5第一項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)及び臨時的職員を除く。以下同じ。)が株式会社の発行済株式の総数の三分の一を超える株式又は有限会社の資本の四分の一を超える出資口数を有する場合で、当該株式会社又は当該有限会社(以下「会社」という。)が当該職員の在職する国の機関(会計検査院、内閣、人事院、内閣府、各省並びに宮内庁、各外局及び防衛施設庁をいう。)、特定独立行政法人又は日本郵政公社(以下「在職機関」という。)と密接な関係にあるとき(以下「株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合」という。)は、当該職員は、株式所有等状況報告書により、所轄庁の長、特定独立行政法人の長又は日本郵政公社の総裁(以下「所轄庁の長等」という。)を経由して、人事院に報告しなければならない。
2
前項の「密接な関係」とは、次のいずれかに該当する場合の会社と在職機関との間の関係をいう。
一
会社が在職機関の有する法令に基づく行政上の権限(単に報告を受ける等の権限を除く。)の対象とされている場合
二
株式所有等状況報告書の作成の日から五年さかのぼった日の属する年度以降の年度(その日の属する年度にあっては、その日以降の期間に限る。)のうちのいずれかの年度において会社と在職機関との間で締結した契約の総額が二千万円以上である場合
三
会社が在職機関による行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第六号に掲げる行政指導の対象とされている場合
3
第一項の規定による報告を行うときは、職員は、株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当した日の翌日から起算して三十日以内に次に掲げる事項を記載した株式所有等状況報告書を所轄庁の長等に提出するものとする。
一
職員の氏名、所属、官職及び職務内容
二
会社の名称、本店の所在地及び事業内容
三
職員が有する会社の株式の数又は出資口数並びにその取得の原因及び時期
四
会社の発行済株式の総数又は資本に占める職員の有する株式の数又は出資口数の割合
五
職員が有する議決権の状況
六
その他人事院の定める事項
4
所轄庁の長等は、前項の規定により株式所有等状況報告書が提出された場合には、次条第一項の基準に照らし職員の職務遂行上適当でないかどうかの見解、配置換その他の方法による職員の職務内容の変更の有無及びその他の参考となる事項を記載した書類を添付して遅滞なくこれを人事院に送付するものとする。
(職務遂行上適当でないと認める基準等)
第三条
人事院は、前条第一項の規定による報告を受理した場合において、職員が次のいずれかに該当するときは、人事院の定める場合を除き、当該職員の職務遂行上適当でないと認めるものとする。
一
会社に対し行政上の権限(裁量の余地の少ない権限又は軽微な権限で人事院の定めるものを除く。)の行使に携わることを職務内容とする場合
二
在職機関と会社との間の契約の締結又は履行に携わることを職務内容とする場合
2
人事院は、前項の基準に照らし職員の職務遂行上適当でないかどうかについて判断し、所轄庁の長等を経由して、その結果を当該職員に対し通知するものとする。
(異議申立て)
第四条
前条第二項の規定により職務遂行上適当でないと認める通知を受けた職員は、その通知の内容について不服があるときは、人事院に法第百三条第六項に規定する異議申立てをすることができる。
2
人事院は、通知の内容が正当であると認めるときは、決定で、異議申立てを棄却する。
3
人事院は、通知の内容が正当でないと認めるときは、決定で、異議申立ての対象となった通知の内容を変更する。
4
前三項に定めるもののほか、異議申立ての手続については、規則一三―一(不利益処分についての不服申立て)の規定の例による。
(職務遂行上適当でないと認められた場合の措置等)
第五条
第三条第二項の規定により職務遂行上適当でないと認める通知を受けた職員のうち、前条第一項の異議申立てをしなかった者及び前条第二項の決定を受けた者(以下「職務遂行上適当でないと認められた職員」という。)は、前条第一項の異議申立てをしなかった者にあっては法第百三条第六項に規定する異議申立ての期間が経過した日の翌日から起算して六十日以内に、前条第二項の決定を受けた者にあっては当該決定のあった日の翌日から起算して六十日以内に、次に掲げるいずれかの措置等を行わなければならない。ただし、定款の変更等の措置が会社等によって行われたこと又は配置換その他の方法による職務内容の変更の措置が講じられたことにより第七条の規定に基づき第三条第一項の基準に照らし当該者の職務遂行上適当でないと認められない旨の確認の通知を受けた場合並びに定款の変更等の措置が会社等によって行われたことに基づき株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当しないこととなったことにより次条第一項の報告を行った場合及び第九条第一項の報告を行った場合にあっては、この限りではない。
一
株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当しないこととなる措置
二
第三条第一項の基準に照らし職務遂行上適当でないと認められないこととなる措置
三
辞職の申出
2
人事院は、職務遂行上適当でないと認められた職員の申出に基づき、株式又は出資の譲渡について取締役会又は社員総会の承認を要する場合その他やむを得ない事情があると認められる場合は、前項の期限を延長することができる。
(措置を講じた職員の報告等)
第六条
職務遂行上適当でないと認められた職員は、前条第一項第一号若しくは第二号の措置を講じたとき又は会社等により行われた定款の変更等の措置により株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当しないこととなったとき若しくは第三条第一項の基準に照らし職務遂行上適当でないと認められないこととなったと思料するときは、直ちにその内容を所轄庁の長等に報告するものとする。
2
所轄庁の長等は、前項の規定による報告を受理したとき、職務遂行上適当でないと認められた職員が辞職したとき又は配置換その他の方法による職務内容の変更の措置により第三条第一項の基準に照らし職員の職務遂行上適当でないと認められないこととなったと思料するときは、直ちにその内容を人事院に報告するものとする。
(人事院の確認通知)
第七条
人事院は、前条第二項の報告があった場合(職務遂行上適当でないと認められた職員が、株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当しないこととなったとき及び辞職したときを除く。)には、第三条第一項の基準に照らし職員の職務遂行上適当でないと認められないかどうかについて確認し、所轄庁の長等を経由して、その結果を当該職員に対し通知するものとする。
(職務遂行上適当でないと認められなかった職員等の報告等)
第八条
第三条第二項、第四条第三項又は前条の規定(第三項の規定によりこれらの規定の例によることとされる場合を含む。)により、第三条第一項の基準に照らし職務遂行上適当でないと認められなかった職員は、次のいずれかに該当することとなった場合には、その旨を所轄庁の長等に報告するものとする。
一
会社の事業内容に変更があった場合
二
第三条第一項に規定する人事院の定める場合に該当しないこととなった場合
2
所轄庁の長等は、前項の規定による報告を受理したとき又は配置換その他の方法により前項の職員の職務内容が変更されたとき(変更前後の所轄庁の長等が同一である場合であって、当該所轄庁の長等が当該職員の職務内容が第三条第一項各号に該当するおそれがないと認めるときを除く。)は、その内容を人事院に報告するものとする。
3
前項の報告があった場合においては、第三条から前条までの規定の例による。この場合において、第三条第一項中「前条第一項の規定による報告」とあるのは、「第八条第二項の規定による報告」とする。
(経営に参加し得る地位の変更の場合の報告)
第九条
第二条第一項の規定による報告を行った職員は、第六条第一項の規定(前条第三項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)による報告を行う場合のほか、株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当しないこととなったときは、その旨を所轄庁の長等に報告するものとする。
2
所轄庁の長等は、前項の規定による報告を受理したときは、その内容を人事院に報告するものとする。
(報告又は資料の請求等)
第十条
人事院は、必要があると認めるときは、第二条第一項の規定による報告を行った職員又はその所轄庁の長等に対し、株式所有等の状況について報告又は資料を求めることができる。この場合において、職員に対する報告又は資料の請求及び職員による報告又は資料の提出は、それぞれその所轄庁の長等を経由して行うものとする。
(雑則)
第十一条
株式所有等状況報告書の様式その他この規則の実施に関し必要な事項は、人事院が定める。
附 則 抄
1
この規則は、平成十三年四月一日から施行する。
2
この規則の施行の日の前日までに株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当する職員に対する第二条第三項の規定の適用については、同項中「株式所有等により営利企業の経営に参加し得る地位にある場合に該当した日」とあるのは、「この規則の施行の日」とする。
附 則 (平成一五年一月一四日人事院規則一―三七) 抄
(施行期日)
1
この規則は、平成十五年四月一日から施行する。
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